· 

破傷風について

東海シクロクロッサ−の皆様、お元気でしょうか。

あと1ヶ月半で東海シクロクロス初戦を迎えます。練習や機材準備に余念が無いと思いますが、シーズンを迎える準備に加えて頂きたいことがあります。

それは、破傷風のワクチン(破傷風トキソイドと言います)接種です。昨シーズン中に擦過傷のケアについてお知らせしましたが、万全のケアを行っても傷が感染する可能性は拭いきれません。その際に注意しなければならないのが、破傷風です。ご存じの方も多いと思いますが、傷に入った破傷風菌が産生する毒素によって筋肉が硬直し、口が開けられなくなったり呼吸が出来なくなったりして、最悪の場合は死に至る病気です。破傷風菌は薬剤や乾燥に強い菌で、土壌に広く分布します。シクロクロスが行われる会場なら、まず破傷風菌がいると思って下さい。

傷のケアでは入念に洗浄を行いますが、全ての細菌を除去することは出来ません。ですから、万が一の破傷風に備えておくことは重要です。破傷風予防にはワクチンが第一です。正しく接種すれば、ほぼ100%破傷風を予防できます。 特別な理由が無い限りは、小児期に破傷風の予防接種を行います。最後に接種したのが12歳でしたら、その効果は20歳代前半まで続きますので、キッズやユース、ジュニアの選手、U23の選手達は大丈夫です。

最終接種から10年以上経っている選手は、免疫を呼び覚ますための追加接種を1回行った方がよろしいです。 何時接種したかわからないマスターズの選手や、破傷風予防接種の制度が開始された1968年より前に生まれた選手は、初回、3〜8週後、6ヶ月以上後の3回接種がよろしいです。

今ならシーズン前に、初回と3〜8週後と2回接種することが出来ます。3回目は免疫を4〜5年にわたり維持するための追加接種です。2回接種後約4週間で免疫を獲得することが出来ますので、今がチャンスです。

 

ぜひとも破傷風ワクチン接種をシーズン前の準備に加えて頂いて、安心してレースを楽しんで頂きたいと願います。皆様にお目にかかれるのを楽しみにしております。

公益社団法人地域医療振興協会 関市国民健康保険津保川診療所 廣田